2019 年 68 巻 2 号 p. 335-339
症例は27歳男性.1年前から誘因なく腰痛を自覚し,近医を受診.MRIで胸椎レベルに腫瘤性病変を指摘され,当科を紹介となった.MRIでTh11/12レベルの脊髄背側にT1強調像にて脊髄と等信号,T2強調像にて高信号,造影効果に乏しい硬膜内腫瘍を認めた.腫瘍切除により症状は改善を認めた.病理診断はendodermal cystであった.比較的稀な腫瘍であり,画像所見でも特異的な所見に乏しく術前診断は困難であった.硬膜内嚢胞性病変の鑑別疾患として,本疾患についても念頭に診察する必要があると考えられた.