2020 年 69 巻 2 号 p. 265-267
【目的】足舟状骨骨折は稀な骨折である.今回軽微な外力で受傷した足舟状骨体部粉砕骨折に対してlocking plateを使用して治療した1例を経験したので報告する.【症例】75歳女性.自宅の側溝へ転落し受傷.右踵部と右足背部に圧痛を認めた.X線写真で右足舟状体部粉砕骨折(Sangeorzan分類;Type Ⅲ),右踵骨骨折(Tongue type)を認めた.舟状骨体部粉砕骨折に対し,Hoffmann創外固定器を使用して牽引整復し,人工骨を移植,距骨と前足部を架橋するようにプレート(VariAx® Distal Lateral Fibula Plate)で固定した.踵骨骨折に関してはWesthues法にて整復してCCS 2本で固定した.【結語】本症例は距舟関節面と舟状骨骨長を整復してlocking plateを使用した創内固定を行うことで良好な臨床結果を得た.