整形外科と災害外科
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ハムストリングを用いたACL再建術後における膝蓋下脂肪体線維化の程度と膝蓋骨高の経時的変化の関連
廣津 匡隆中村 俊介海江田 英泰今村 勝行藤元 祐介栫 博則谷口 昇
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2020 年 69 巻 2 号 p. 415-418

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抄録

ハムストリングでのACL再建術でも,稀に術後の膝蓋骨高の低下を来たすことがある.今回,術後の膝蓋下脂肪体の線維化の程度と膝蓋骨高の経時的変化を調査した.症例はハムストリングでACL再建術を行った26例.術前,術後3か月,1年でMRI撮影し,膝蓋下脂肪体の線維化はincomplete,complete,diffuseの3つに分類し,膝蓋骨高はInsall-Salvati ratio(以下ISR)を計測した.膝蓋下脂肪体の線維化は,incomplete 17例,complete 7例,diffuse 2例であった.Completeでは3か月で軽度ISRは低下し,1年でほぼ術前の状態に回復した.Diffuseの2例は3か月,1年と徐々にISRは低下し,回復は示さなかった.ハムストリングでのACL再建術でも線維化の程度により膝蓋骨高は経時的に変化し,術後の広範囲な膝蓋下脂肪体の線維化では膝蓋骨低位が起こる可能性がある.

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© 2020 西日本整形・災害外科学会
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