整形外科と災害外科
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手術加療を要した完全型滑膜ひだ障害の3例
副島 竜平前山 彰木山 貴彦小林 知弘鎌田 聡小阪 英智石井 聡大宮崎 弘太郎山本 卓明
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2020 年 69 巻 4 号 p. 740-742

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抄録

【背景】膝蓋上嚢は胎生8週頃,隔壁により膝関節腔内と完全に隔てられている.胎生5ヶ月頃に機械的な刺激により隔壁に穿孔が生じ,膝蓋上嚢と膝関節内とが交通するが,稀に交通せず遺残することがある.無症候性であることが多いが,外傷や繰り返す機械的刺激により肥厚や繊維化を来たし,疼痛の原因となることがある.完全型滑膜ひだ障害に対して当院で手術を行った3例を経験したので報告する.【対象】2015年から2017年までに完全型滑膜ひだ障害で手術を行った3例のMRI所見・手術所見等について調査した.【結果】全例にMRIではT1強調像で低信号,T2強調像で高信号が見られ,術中所見では上嚢に完全型の滑膜ひだを認めた.関節鏡下滑膜切除術を行い,症状改善を認めた.【考察】滑膜ひだ障害の診断はMRIで行い,保存療法が無効な場合は関節鏡下での滑膜切除が有効とされている.若年者の膝痛を有する症例において本疾患も鑑別の一つとして念頭に置く必要があると考えられた.

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© 2020 西日本整形・災害外科学会
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