整形外科と災害外科
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大腿骨近位部骨折の周術期における深部静脈血栓症発生についての検討
大串 美紗子坂本 哲哉木下 浩一山本 卓明
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2020 年 69 巻 4 号 p. 757-759

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抄録

【目的】大腿骨近位部骨折の周術期で深部静脈血栓症(DVT)は重篤な合併症である.大腿骨近位部骨折の周術期でDVTの発生頻度や危険因子を検討した.【方法】2015年6月から2019年6月までに大腿骨近位部骨折に対して人工骨頭置換術,あるいは骨接合術を行った症例のうち,周術期に下肢静脈エコーを施行した70例を対象とした.検討項目はBMI,受傷から下肢静脈エコーまでの日数,抗凝固薬内服の有無,既往歴,Dダイマー,ADLとし,DVTの有無で2群間をt検定,χ²検定を用いて比較した.【結果】DVT発生は14例(20.0%),うち2例(2.9%)で無症候性の肺血栓塞栓症を認めた.DVT発生群,非発生群間でBMI,下肢静脈エコーまでの日数,抗凝固薬内服の有無,既往歴,Dダイマー,ADLに有意な差はなく,活動性の癌患者で有意にDVT発生率が高かった.【結論】DVTの有無の予測は困難だが,重篤な合併症予防のためDVT発生を念頭に置く必要があると考える.

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© 2020 西日本整形・災害外科学会
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