整形外科と災害外科
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当院で経験した後頚部痛のみで麻痺症状を認めなかった頚髄硬膜外血腫の1例
市ヶ谷 憲土持 兼之
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2020 年 69 巻 4 号 p. 787-789

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抄録

頚髄硬膜外血腫は,急激な頚部痛を伴い四肢麻痺症状が進行しうるまれな疾患である.当院で経験した後頚部痛のみで麻痺症状を認めなかった頚髄硬膜外血腫の症例について文献的考察を加え報告する.症例は82歳,女性.脳梗塞の既往により,抗血小板薬常用あり.深夜,急激な後頚部痛を自覚し当院へ搬送となった.後頚部痛及び高血圧を認めたが,筋力低下や感覚異常,反射亢進などの神経学的所見は認めなかった.CTでC2-3レベル硬膜外背側右側に高吸収域を認め,頚髄硬膜外血腫の診断で入院となった.発症12時間後の頚部MRIでは血腫の増大は認めなかった.その後,麻痺の出現はなく,第4病日に後頚部痛は軽減し第32病日にMRIで血腫消失を確認した.本症例では他疾患鑑別のためCT撮影を行い,脊柱管内背側に高吸収域を認め同診断となった.CTは,緊急時に短時間で撮影可能であり本症例では頚髄硬膜外血腫の早期画像診断として有用であった.

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© 2020 西日本整形・災害外科学会
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