髄外腫瘍においては神経鞘腫と髄膜腫が約85%を占める.髄膜腫の腰椎発生は極めて稀であり,馬尾腫瘍の多くは神経鞘腫である.今回,我々は当院で手術を行った馬尾腫瘍について検討した.2015年1月から2018年12月の4年間に当院で手術を行った馬尾腫瘍14例を対象とし,術前画像検査からの診断予測と術後病理検査での確定診断との診断一致率を調査した.対象症例14例の平均年齢は48.9歳(27~77歳)で男性9例,女性5例であった.術前の画像診断からは全例神経鞘腫の可能性が高いと判断し手術を施行していた.術後病理検査では神経鞘腫12例,傍神経節腫1例,類表皮嚢腫1例であった.診断一致率は86%(12/14例)であった.当院で施行した馬尾腫瘍の86%は神経鞘腫であり,他の文献と同様に高い値であった.術前に神経鞘腫と予測されたが確定診断は違う結果となった症例が2症例あり,文献的考察を含め報告する.