整形外科と災害外科
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回復期リハビリテーションを行った高齢骨折患者における介護保険の検討
―要介護度と退院転帰の関係―
西村 博行浦上 泰成
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2020 年 69 巻 4 号 p. 843-848

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抄録

介護保険要介護認定者は年々増加している.今回,我々は,回復期リハを行った高齢骨折患者において,受傷前要介護度と退院転帰との関係を検討した.対象は,平成25年から平成30年に,当院にて回復期リハを行った65歳以上で自宅在住の高齢骨折患者821名.ADLは,Barthel index(BI)で評価し,受傷前の要介護度を確認した.受傷前要介護認定者は59.4%であった.退院時BI得点(ADL)は,要介護度1が,要介護度2に比べ,良好であったが,要介護度1の自宅退院率(65.7%)は,要介護度2(76.2%)に比べ,低値を示した.退院転帰には,BI得点,ADLのほか,家族構成や介護保険利用などの社会的因子の関与がある.要介護度1では,3人以上の家族の占める割合および介護保険サービス利用率は,要介護度2に比べ,低値で,このことが要介護度1の自宅退院率の低下につながったと考えられた.

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© 2020 西日本整形・災害外科学会
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