2020 年 69 巻 4 号 p. 871-875
両内反型変形性膝関節症の患者の片側にPS型TKA施行後,対側にBCS型TKA施行した9例(除外7例)を対象に比較検討を行った.いずれも術後6ヵ月以上経過した症例とした.内訳は,性別は全例女性,平均年齢は75.4歳(73~81歳),BMIは26.2±2.9 Kg/m2であった.臨床評価項目(経過観察期間,ROM,VAS,患者立脚型評価,体幹後傾テスト)及び画像評価項目(コンポーネント設置角,Femoral-tibial angle,Posterior condylar offset,Joint line)に関して検討を行った.PS型と比較して,理論上,より正常膝に近い生理的な膝形態・位置関係・キネマティクスを目指した機種であるBCS型は,術後成績を向上させる可能性があるため検討を行ったが,本研究では,両群とも有意差は認めなかった.今後も引き続き症例を重ね,評価・検討する事が重要であると考える.