2021 年 70 巻 2 号 p. 239-241
症例は76歳男性,10年前に左母趾を捻挫後,母趾の内反変形が進行し,疼痛も徐々に増悪したため当科受診となった.疼痛が強く,通常の靴も履けない状態であった.左母趾MTP関節は内反方向に異常可動性を認め,容易に徒手整復可能であった.単純X線像では重度の内反変形を認めた.この症例に対して,Fiber Tape(Arthrex社)とTenodesis screw(Arthrex社)を用いて変形を矯正した.術後,疼痛は改善し,可動域制限を特に認めず,矯正位は保持されていた.