整形外科と災害外科
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踵骨脱臼骨折の治療経験
鶴居 亮輔山下 彰久野村 裕原田 岳渡邊 哲也橋川 和弘藤井 勇輝杉 修造古川 寛白澤 建藏
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2021 年 70 巻 2 号 p. 270-274

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抄録

踵骨脱臼骨折は稀な外傷とされ,その報告例は少なく,その治療法に関しては確立されていない.今回我々は2例の踵骨脱臼骨折を経験したので報告する.症例1:53歳女性.3段の階段を踏み外し受傷した.踵骨脱臼骨折,立方骨骨折を認めた.創外固定と小切開による観血的整復術,中空螺子を用いた固定術を施行した.早期ROM訓練と部分荷重を開始し早期に社会復帰した.症例2:44歳男性.約1.5 mの高さから転落し受傷.同様に踵骨脱臼骨折に加えて立方骨・舟状骨骨折,さらに腓骨遠位端の骨折を認めた.小切開による観血的整復術と経皮的pinningを併用した.早期よりROMと部分荷重を開始し,仕事に復帰した.自験二症例では我々は観血的整復を行い良好な整復位を得ることができた.足関節脱臼骨折の多くは観血的整復術を必要とし,距踵関節の解剖学的整復が重要である.関節面の評価にはCTによる評価が有用であると考えられた.

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© 2021 西日本整形・災害外科学会
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