整形外科と災害外科
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高度肥満の脛腓骨近位端骨折後の感染性偽関節に対してMasquelet法で治療した1例
鈴木 湧貴末永 賢也金海 光祐川口 雅之平田 正伸藤田 秀一田山 尚久
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2023 年 72 巻 1 号 p. 132-135

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抄録

【症例】47歳男性.体重150kg,BMI 49kg/m²と高度肥満であった.3mの高さから転落し受傷.右脛腓骨近位端骨折の診断で創外固定を施行.その後Plateによる内固定術を施行した.術後9ヶ月後より膿性の滲出液を認め,骨癒合の遷延もあり感染性偽関節の診断でMasquelet法による骨再建術を施行した.手術は2期的に施行し,初回手術ではPlateを抜去し骨・軟部組織の感染巣をデブリードマン後に抗生剤含有セメントを挿入し固定した.初回手術から1.5ヶ月後にセメントを抜去し髄内釘を挿入し骨欠損部に同種骨移植を行なった.体重を考慮した後療法を継続し,現在骨形成は良好で独歩可能な状態に回復している.【考察】高度肥満があり荷重など慎重を要する症例であってもMasquelet法による骨再建法は有効であることが分かった.

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© 2023 西日本整形・災害外科学会
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