整形外科と災害外科
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閉鎖性足関節骨折に対して,創外固定術を用いた二期的手術の治療経験
緒方 亜紀竹内 直英永野 賢酒見 勇太田邉 剛
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2023 年 72 巻 4 号 p. 691-694

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抄録

【目的】足関節閉鎖性骨折に対して一時的創外固定を適応とすることが多い.創外固定術を用いて二期的手術を行った症例を経験したため報告する.【症例1】54歳男性.脚立から降りるときに左足関節を受傷し,左脛骨天蓋骨折の診断で翌日当科紹介受診.同日創外固定術を施行し,受傷10日で骨接合術を施行した.皮膚の血流障害を認めず経過良好であった.【症例2】29歳女性.階段からの転落により右足関節を受傷し,当科受診.右足関節脱臼骨折の診断で同日創外固定術を施行.受傷10日で骨接合術を施行し,皮膚トラブルを認めず経過良好であった.【考察】足関節周囲は血流障害を起こしやすく,骨折により腫脹や水疱形成などを起こしやすい.関節内骨折や脱臼骨折などでは創外固定を施行し,軟部組織の状態が改善してから二期的に内固定を行うことで,術創部の血流障害を軽減することができると考えられた.

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© 2023 西日本整形・災害外科学会
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