整形外科と災害外科
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Supracondylar Fractre of the femur fracture after total knee arthroplasty TKR 後生じた大腿骨顆上骨折例につい
生野 英祐原 道也蒲原 光義黒田 康二高岸 直人
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1991 年 40 巻 2 号 p. 641-644

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抄録

今日, 全人工膝関節置換術 (TKR) は慢性関節リウマチ (RA) のADLの向上に有用なものとなっている. しかしながら感染や人工関節のゆるみ等の合併症が問題となっている. そうした合併症の中で大腿骨顆上骨折の報告は少ない.
この論文ではわれわれの経験したRAの両側同時TKR後に軽微な機転によって生じた右大腿骨顆上骨折について, 主に原因, 治療について検討した. 原因としては大腿コンポーネント上部のノッチングやRAに合併した骨粗鬆など考えられた. また治療としては種々の方法があるが今回の症例では比較的侵襲の少ないラッシュピンによる骨接合術が有用と考えられた. TKR後の大腿骨顆上骨折は頻度は低いが留意すべき合併症であると思われた.

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© 西日本整形・災害外科学会
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