日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
今月のテーマ : 消化管癌分子標的治療の新展開
消化器癌における新しい分子標的治療法開発の実際
—膜輸送体ATP7Bの選択から阻害剤の開発まで—
竹林 勇二管崎 敦子東本 昌之菅野 英和竹之下 誠一
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2004 年 101 巻 1 号 p. 18-26

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抄録

ポストゲノムの時代になり臨床医でも可能になった「新しい分子標的治療法開発」における重要なポイントを整理した. 1. 標的分子の選択は, 基礎的に機能が明らかになっているが, 臨床的な意義が確立していない分子を選ぶこと. 2. 標的分子の臨床検体での評価は, 採取後速やかにOCT compoundに包埋し, 研究目的に応じてH.E. 染色により癌細胞の占有率を確認したものを用いて, DNA, RNA, 蛋白すべてのレベルで行った解析結果をもとに行うこと. 3. 標的分子の正常組織分布も必ず確認すること. 4. 標的分子の最終評価は, 阻害剤などを開発し標的分子の発現と阻害剤の効果との関連を臨床において検討した後に行うこと.

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© 2004 (一財) 日本消化器病学会
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