2004 年 101 巻 11 号 p. 1238-1242
腸間膜悪性リンパ腫は治癒切除された症例でも予後不良なことが多い. 巨大腸間膜悪性リンパ腫の非治癒切除例で, 術後化学療法が奏功し長期寛解維持が得られている1例を経験したので報告する. 33歳女性. 15cm大の腸間膜腫瘍に対して右半結腸切除, 小腸切除, 右腎摘, 十二指腸部分切除を行うも完全切除不能であった. びまん中細胞型悪性リンパ腫であり遺残腫瘍の増大を認め, CHOP療法を8クール施行した. 術後6年経過した現在再燃を認めていない.