日本消化器病学会雑誌
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Print ISSN : 0446-6586
症例報告
胸膜転移を来した肝細胞癌の一剖検例
谷岡 ゆかり水町 宗治木村 輝昭藪下 芳子森 健治谷村 晃沖田 極
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2004 年 101 巻 12 号 p. 1320-1324

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抄録

59歳男性, C型慢性肝炎で通院中, 肝S6に径4cm大の肝癌に対し, PEIT7回, 肝動注化学療法を2回行った. 経過良好であったが, 労作時呼吸困難を訴え, 胸水貯留を認め, 当院紹介受診した. 肝癌の局所再発は認めないものの, 胸部CT検査で縦隔転移を認めた. PEITによる播種の可能性は低く, 剖検上直接浸潤も認めなかったが, 横隔膜に脈管転移を認めた. 直接浸潤を認めないまれな肝癌胸膜転移例を経験したので報告する.

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© 2004 (一財) 日本消化器病学会
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