日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
症例報告
胃切除後に発生した異所性還流にともなう限局性脂肪肝の1例
熊本 光孝中江 遵義杉森 聖司加藤 寛正生馬 和樹中路 幸之助谷口 友志河合 信行
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2004 年 101 巻 2 号 p. 173-176

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抄録

症例は75歳女性. 胃癌術後約6カ月の腹部US, CTにて肝左葉内側区に径3~4cm大の地図状病変を認めた. 3相CT, MRIの所見より肝の脂肪化を疑い, US下吸引針生検にて肝細胞の脂肪変性を認めた. 胃十二指腸動脈から造影を行うと静脈相で肝左葉内側区に流入する静脈を認め, 造影下CTでは病変の部分に一致して濃染像が認められた. 以上より術後に発生した門脈血流低下をともなった異所性還流異常による限局性脂肪肝と診断した.

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© 2004 (一財) 日本消化器病学会
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