日本消化器病学会雑誌
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今月のテーマ : 早期大腸癌—診断・治療の進歩—
早期大腸癌に対する腹腔鏡下大腸切除の進歩
渡邊 昌彦
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2004 年 101 巻 5 号 p. 495-501

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抄録

早期大腸癌に対する内視鏡外科は, 胆石症の次に急速に普及した. その理由は大腸の血管系が単純であり内視鏡下の処理が容易で, 大腸自体が弾力性に富んでいるため小さな創から体外に露出可能であったためである. 従来開腹手術が行われたような早期癌は内視鏡外科の良い適応と考えられた. その結果腸切除でも内視鏡外科の低侵襲性は損なわれることはなく, 予後も良好なため現在では早期大腸癌の標準的治療と認知されるに至った. 一方, 進行癌においては当初欧米で創部再発が頻発したため普及か一時的に滞ったが, その後技術の稚拙さに起因することが明らかとなった. したがって, 現在各国で開腹と比較する無作為臨床試験が行われている.

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© 2004 (一財) 日本消化器病学会
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