日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
症例報告
若年女性に急性発症し, 薬物性肝障害との鑑別を要した自己免疫性肝炎の1例
吉兼 誠渡辺 洋中根 英敏小山 泰寛阿南 章鈴木 統久入江 真岩田 郁早田 哲郎向坂 彰太郎
著者情報
ジャーナル フリー

2004 年 101 巻 7 号 p. 779-782

詳細
抄録

21歳女性. 〓瘡治療のため漢方薬を内服中であったが, その5日目より全身倦怠感, 黄疸, 発熱が出現し当科に入院. 高ビリルビン血症と肝胆道系酵素の上昇, 抗核抗体高値を認めた. 肝炎ウイルスマーカーと薬物リンパ球刺激試験は陰性であった. 肝生検により自己免疫性肝炎と診断. 副腎皮質ステロイドにより軽快した. 若年者の急性肝障害においても自己免疫性肝炎は念頭におき, 肝生検などを行って積極的に診断していく必要がある.

著者関連情報
© 2004 (一財) 日本消化器病学会
前の記事 次の記事
feedback
Top