2005 年 102 巻 10 号 p. 1293-1298
症例は48歳,男性.主訴は嘔吐.CT・UGI・GIFにより十二指腸球部に直径3 cmの嵌頓結石を確認し,2回のEHLにより結石を破砕しイレウスを解除しえた.胆石イレウスのうち十二指腸球部に嵌頓し,胃の排出障害をきたした場合Bouveret's syndromeと呼ばれ,本邦では自験例を含め9例のみの報告であり極めてまれである.従来の8症例は全て開腹術が施行されており,EHLは負担も少なく全麻ハイリスク症例には有効な治療法といえる.