日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
今月のテーマ:炎症性腸疾患―診断と治療の現況と将来―
クローン病診断治療の現況と将来
鈴木 康夫
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2005 年 102 巻 4 号 p. 431-441

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抄録

クローン病は未だ病因病態の不明な難治性慢性炎症性腸疾患であり,従来から炎症の抑制を目的にアミノサルチル酸製剤やステロイド製剤,さらには免疫抑制剤が投与されてきた.近年の病態解析の著しい進歩により明らかにされた,病状形成に重要な特異的機序を抑制する新規薬剤である生物学的製剤が次々と開発応用されている.特に抗TNF-α抗体製剤の一つinfliximabが画期的治療成績を示し新たな中心的治療薬として注目されている.今後も同様に強力な新規薬剤の登場が期待されることから,診断技術を駆使して病態を的確に把握しこれら各種治療方法を積極的に運用することが,クローン病患者のQOL向上に寄与すると思われる.

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© 2005 (一財) 日本消化器病学会
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