日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
今月のテーマ:胆管癌の診断と治療
外科の立場から
近藤 哲
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2005 年 102 巻 7 号 p. 873-879

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抄録

胆管癌では遠隔転移はほとんどなくほぼ全例が手術適応となる.最近では術後肝不全の防止がほぼ可能となったので,従来の区域切除あるいは尾状葉単独切除などの必要最小限の肝切除から肝右葉尾状葉・胆管切除が標準手術(左優位の場合は左葉尾状葉切除)となりつつある.それにともない術前診断や胆道ドレナージも簡略化できる部分が多くなり,またMRCP,MDCTの導入,選択的ENBD,POCS,胆管生検,IDUSなどの内視鏡技術の飛躍的な進歩とあいまって診断体系も大きく変化してきている.手術成績も改善してきているが胃癌・大腸癌に比べればまだまだ不良で,今後は安全性を確保しつつさらに根治性の高い術式に改良する必要がある.

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© 2005 (一財) 日本消化器病学会
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