日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
症例報告
潰瘍性大腸炎緩解期の回盲部に単純性潰瘍が発生した1例
小野 雅美村上 和成織田 麻奈美宮島 一渡辺 浩一郎佐藤 竜吾那須 勝加島 健司
著者情報
ジャーナル フリー

2005 年 102 巻 7 号 p. 894-899

詳細
抄録

症例は34歳,男性.31歳時に全大腸炎型潰瘍性大腸炎と診断され,メサラジン,ステロイドの投与にて緩解,3年後に回盲弁上の潰瘍より大量下血した.潰瘍性大腸炎の憎悪はなく,ステロイドパルス療法を行うも治癒傾向はなく,終末回腸のアフタ性病変,口腔内アフタもあり単純性潰瘍を疑いアザチオプリン100 mg/日を投与したところ潰瘍は治癒した.潰瘍性大腸炎の経過中に単純性潰瘍を合併したと考えられる興味ある1例を経験したので報告する.

著者関連情報
© 2005 (一財) 日本消化器病学会
前の記事 次の記事
feedback
Top