硬化性変化を呈する胆管病変としては炎症性変化と腫瘍性変化がある.前者には原因不明の肝内胆汁うっ滞を来たす難治性の慢性肝疾患である原発性硬化性胆管炎(primary sclerosing cholangitis, PSC)と,感染や自己免疫性疾患などにともなう2次性病変がある.PSCは炎症性腸疾患を合併する頻度が高く,その診断には特徴的な胆道画像を確認することが重要であるが,2次性硬化性胆管炎や胆管癌との鑑別は容易ではない.また,PSCの経過中に胆管癌を合併する場合もある.本稿ではPSCの臨床像についてわが国の現状をまじえて解説するとともに,硬化性胆管炎診療に関する最近の話題を述べる.