2006 年 103 巻 2 号 p. 168-173
Clostridium difficile関連下痢症(CDAD)は,その約20%に再発が認められる.2度の再発を来したCDAD患者より分離された菌株をPCRリボタイピング法を用いて検討した.初発時および再発時の糞便からはタイプsmz菌株が検出され,持続感染株による再燃が,再々発時の糞便からはタイプhr菌株が検出され,新たな菌株による感染が,各々の再発の機序として考えられた.CDADの再発は解決すべき重要な問題であり文献的考察を加えて報告する.