日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
症例報告
短期間に回腸と十二指腸に多彩な病像を呈したHenoch-Schnlein紫斑病の1例
今井 昭人小山田 裕一和田 誠内藤 裕二吉田 憲正吉川 敏一
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キーワード: 十二指腸炎, 回腸炎, 腹部CT
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2006 年 103 巻 3 号 p. 310-315

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抄録

症例は60歳,男性.腹痛,下血,関節痛を主訴に受診.下肢に紫斑を認め,腹部CTでは回腸末端部に壁肥厚と腹水の貯留を認めた.第4病日の腹部CTでは十二指腸水平脚に強い壁肥厚を認め,第8病日の腹部CTでは回腸に強い壁肥厚を認めた.Henoch-Schnlein紫斑病に腹部症状をともなうことは周知の事実であるが,短期間に腹部症状の消長を繰り返し,その経時的変化を画像的に観察しえたまれな症例と考え報告する.

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© 2006 (一財) 日本消化器病学会
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