日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
症例報告
放射線誘発直腸癌の1例
成井 一隆池 秀之藤井 正一野尻 和典辰巳 健志山岸 茂齋藤 修治国崎 主税今田 敏夫野澤 昭典大木 繁男大田 貢由市川 靖史嶋田 紘
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2006 年 103 巻 5 号 p. 551-557

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抄録

症例は73歳,女性.42歳時に子宮頸癌術後に放射線療法を受けた.72歳時の2004年1月下部消化管内視鏡で直腸Rsにcontact bleedingをともなう発赤を認めた.生検では高度異型をともなうadenomaと診断され経過観察としていたが,2004年12月同部に潰瘍性病変を認め,生検で中分化腺癌であったため,2005年1月直腸切除術を施行した.組織学的には腫瘍はss, n(-)であり,腫瘍中心部の中分化腺癌の周囲や放射線照射範囲内の非癌部にdysplasiaを認めた.放射線腸炎にともなうdysplasiaが放射線誘発大腸癌の発生に関与したと思われた1例を経験したので,文献的考察を加えて報告する.

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© 2006 (一財) 日本消化器病学会
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