日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
今月のテーマ;機能性胃腸症の病態
機能性胃腸症の病態
金子 宏小長谷 敏浩飯田 章人各務 伸一
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2006 年 103 巻 9 号 p. 1031-1038

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抄録

機能性胃腸症(機能性ディスペプシア)は従来からの症候性胃炎,神経性胃炎などに相応する疾患単位であり,機能性消化管障害の国際的教科書ともいえるRome基準にはその定義,病態が詳しく説明されている.2006年4月に公表されたRome III基準ではディスペプシア症状を4つに限定し,2つの下位カテゴリーが設定されている.病態としては消化管運動異常,消化管知覚過敏,心理社会的因子などがあげられる.病態解明のための検査法の進歩も欠かせない.症状および疾病行動を理解するために,現時点である程度コンセンサスが得られている病態の関与,およびそれらの相互作用について多角的視野(脳腸相関,身体-心理-社会モデル)から解説する.

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© 2006 (一財) 日本消化器病学会
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