日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
今月のテーマ:ディスペプシア症状への対応
ディスペプシアの疫学と日常診療での対応 患者との良好な関係構築から始まる診療
本郷 道夫遠藤 由香
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2007 年 104 巻 11 号 p. 1580-1586

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抄録

胃もたれ,胃の痛みはきわめて日常的に遭遇する上腹部愁訴である.このような症状があっても基質的病変をともなわない機能性ディスペプシア/機能性胃腸症は頻度の高い症候群である.その病態には,さまざまな要因が関与している.消化管運動異常,内臓知覚過敏が特に重要な要因として研究が行われるものの,それ以上に心理社会的要因が無視できない.患者の症状に対する受容と共感,病態の説明と保証,生活指導は治療の上できわめて重要な要素となる.薬物療法は,消化管運動賦活薬,酸分泌抑制薬,抗不安薬を中心として行う.

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© 2007 (一財) 日本消化器病学会
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