レシチンによって小粒子化したリピオドールエマルジョンを用いたTAE(TAE-L)を大型肝細胞癌に対して施行し,その効果を検討した.通常のリピオドールTAE施行群(A群)20例とTAE-L施行群(B群)27例を対象としてretrospectiveに検討した.治療3カ月後の奏効率はA群10.0%, B群37.0%(P=0.046)で,6カ月後ではA群5.0%, B群33.3%(P=0.029)であった.生存期間中央値はA, B群でそれぞれ12.0カ月,23.0カ月(P=0.049)であった.リピオドールにレシチンを加えることでTAEの効果が増強すると考えられた.