日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
原著
大型肝細胞癌に対するレシチン加リピオドールエマルジョンを用いた肝動脈塞栓術の有用性
小林 慎二郎大坪 毅人小泉 哲吉利 賢治片桐 聡古川 達也山本 雅一高崎 健
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2007 年 104 巻 11 号 p. 1601-1606

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抄録

レシチンによって小粒子化したリピオドールエマルジョンを用いたTAE(TAE-L)を大型肝細胞癌に対して施行し,その効果を検討した.通常のリピオドールTAE施行群(A群)20例とTAE-L施行群(B群)27例を対象としてretrospectiveに検討した.治療3カ月後の奏効率はA群10.0%, B群37.0%(P=0.046)で,6カ月後ではA群5.0%, B群33.3%(P=0.029)であった.生存期間中央値はA, B群でそれぞれ12.0カ月,23.0カ月(P=0.049)であった.リピオドールにレシチンを加えることでTAEの効果が増強すると考えられた.

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© 2007 (一財) 日本消化器病学会
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