日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
原著
虚血性大腸炎クリニカルパスの有用性について
石川 剛安藤 貴志松本 次弘沖田 美香今本 栄子小松 晶子長尾 泰孝加藤 治樹瀬戸 信之古倉 聡内藤 裕二吉田 憲正岡上 武吉川 敏一
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2007 年 104 巻 3 号 p. 357-363

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抄録

虚血性大腸炎のクリニカルパス(CP)作成を目的に,過去の虚血性大腸炎入院患者60例について,臨床像をretrospectiveに検討した.検討により得られた重症度予測因子および過去の診療行為の標準値を参考にCPを作成し,21例に運用したところ,CP適応例は18例であった.CPの運用により,発症後摂食までの期間(CP運用後5.28±1.27日,運用前6.20±3.42日),在院期間(CP運用後8.37±2.89日,運用前10.37±7.32日)とも短縮することができた.虚血性大腸炎診療におけるCPの導入は,在院日数の短縮,診療行為の標準化,リスク管理の面からも有用であると考えられた.

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© 2007 (一財) 日本消化器病学会
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