日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
症例報告
経皮的肝生検で放線菌塊を確認し,抗生剤投与が有効であった原発性肝放線菌症の1例
山下 博司福知 工伊藤 大川村 梨那子栗島 亜希子藤山 徹渡邉 実香亀井 宏治可児 弘行高橋 元永松 良介蘆田 潔仙崎 英人
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2007 年 104 巻 5 号 p. 698-702

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抄録

57歳男性.右季肋部痛·発熱を主訴に来院.高度の炎症反応,腹部超音波検査で内部エコー不均一な腫瘤像を認め,肝膿瘍が疑われた.経皮的肝生検より放線菌の菌塊が認められ,肝放線菌症と診断した.ペニシリン系抗生剤の長期投与で膿瘍の消失が得られた.肝臓原発に発生する放線菌症は極めてまれで,悪性疾患を含む肝腫瘤性病変との鑑別が必要である.今回,経皮的肝生検で診断し得た意義は大きいと考える.

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© 2007 (一財) 日本消化器病学会
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