日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
今月のテーマ:NBI併用拡大内視鏡の有用性:早期食道癌と早期胃癌
早期胃癌診断におけるNBI併用拡大内視鏡の臨床応用
八尾 建史松井 敏幸岩下 明徳
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2007 年 104 巻 6 号 p. 782-789

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抄録

最近,ヘモグロビンに特異的に吸収される波長の光を用いた狭帯域光観察narrow band imaging(NBI)を胃拡大内視鏡に臨床応用できるようになった.本方法を用いると,白色光拡大内視鏡と比較して,高いコントラストで粘膜上皮下の微小血管構築像が観察できる,さらに粘膜表面微細構造もある程度捉えることができるようになった.さらに,なかではNBIでしか視覚化できない腸上皮化生粘膜に特有の所見light blue crestも報告されている.NBI併用拡大内視鏡は,白色光に比べて,早期胃癌と限局性胃炎の鑑別診断,早期胃癌の術前境界診断を,高い精度で,より容易に迅速に,非侵襲的に行える方法として期待される.今後,系統的に臨床試験を行い早期胃癌診断におけるNBI併用拡大内視鏡の白色光拡大内視鏡への真の上乗せ効果を検討する必要がある.

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© 2007 (一財) 日本消化器病学会
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