日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
症例報告
インターフェロン著効後11年を経過し肝細胞癌の合併がみられたC型慢性肝炎の1例
菅波 史富山 恭行大元 謙治河瀬 智哉吉岡 奈穂子柴田 憲邦吉田 浩司久保木 真山本 晋一郎
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キーワード: C型肝炎, IFN著効, 発癌
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2007 年 104 巻 6 号 p. 809-814

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抄録

61歳男性.C型慢性肝炎に対してIFN療法を行い著効が得られ,肝組織像も改善した.11年後に15mm大の肝腫瘤を指摘され,腫瘍生検で高分化型肝細胞癌と診断された.肝動脈塞栓術と経皮的ラジオ波焼灼術の併用療法を施行し,腫瘍の完全壊死が得られた.文献的考察から,男性,高齢者および肝線維化進行例が,IFN著効C型慢性肝炎の発癌の危険因子と考えられるため,これらの症例では長期にわたる経過観察が必要である.

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© 2007 (一財) 日本消化器病学会
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