日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
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今月のテーマ:腹腔鏡検査の今日と明日
肝疾患診断における腹腔鏡の今日的意義
小橋 春彦山本 和秀
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2008 年 105 巻 10 号 p. 1453-1461

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抄録

近年腹腔鏡の役割は診断から治療へ変化してきた.しかし腹腔鏡下肝生検は,不均一な分布を示す病変や色調変化の評価,十分な大きさの組織を選択的に生検可能,腹腔内病変の観察など,他の検査では困難な独自の診断能を有し,今日なお重要な診断法である.腹腔鏡が最も有用な疾患として,B型·C型慢性肝炎から肝硬変への進展度評価と進行予測,自己免疫性肝疾患(自己免疫性肝炎,原発性胆汁性肝硬変など),代謝性肝疾患(非アルコール性脂肪肝炎,Wilson病など),薬物性肝障害,腹腔内疾患(結核性腹膜炎,腹膜中皮腫,Fitz-Hugh-Curtis症候群など)が挙げられる.代表的な疾患の腹腔鏡診断を写真とともに概説する.

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© 2008 (一財) 日本消化器病学会
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