日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
総説
「NASH研究の新展開: NASH由来肝癌はわが国に存在するか」わが国のNASH関連肝癌発生率を推定する
吉田 晴彦建石 良介椎名 秀一朗佐藤 隆久大木 隆正増崎 亮太今村 潤五藤 忠小俣 政男
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2008 年 105 巻 11 号 p. 1577-1583

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抄録

NASHの重要性が指摘されて久しいが,NASH関連肝癌の実態解明は十分でない.大規模コホート研究が難しく,肝発癌時のNASH診断が困難なため後向き研究も妨げられる.今回,非B非C肝癌患者について,性,年齢,BMI,アルコール飲酒,臨床検査データをもとに対応分析とクラスタ分析を行い,教師なし分類を試みた.2524名の全肝癌患者の内,非B非Cは211名であり,3クラスタに分類された.内41名が女性,高齢,非アルコール多飲,BMI大,肝機能不良などで特徴付けられるクラスタに属した.これをNASH関連肝癌と考えると,非B非C肝癌の19.4%,全肝癌の約2%を占めた.

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© 2008 (一財) 日本消化器病学会
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