2008 年 105 巻 3 号 p. 361-366
胃癌取扱い規約のStage IV 185例を対象に亜分類を試みた.単変量解析および多変量解析にて,肝転移·腹膜播種(腹腔細胞診も含む)·リンパ節転移(3群以上)·他臓器浸潤·Stage IV因子数(1個と2∼4個)のうち,肝転移·腹膜播種が独立した予後因子であり,Stage IV因子数も予後因子となり得る可能性が示唆された.そこで,リンパ節転移単独(T1∼3N3∼)もしくは他臓器浸潤単独(T4N2)のStage IV A群とその他のStage IV B群を比較したところ,生存曲線において有意な差を認めた.さらに,Stage IV A群の生存曲線はStage III B群(25例)の生存曲線と差が認められなかった.