日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
症例報告
胃転移をともなった中分化型肝細胞癌の1例
波多野 貴昭喜多 竜一坂本 康明松尾 裕央西島 規浩斉藤 澄夫池田 敦之那須 章洋西川 浩樹大鶴 繁辻 賢太郎津村 剛彦圓尾 隆典木村 達大崎 往夫新宅 雅幸中島 収
著者情報
ジャーナル フリー

2008 年 105 巻 3 号 p. 404-411

詳細
抄録

症例は68歳,男性.両肺野に多発結節を認め,進行肺腺癌と誤診され加療されていた.当時,肝S8に1cm径の単発肝腫瘍を指摘されたが,経過とともに肝静脈腫瘍塞栓が出現し,広範な肝内転移を示した.同時に,胃に多発性のIIc様陥凹性病変が出現し,2カ月後に隆起性病変へと変化した.剖検所見より中分化型肝細胞癌とその肺転移,胃転移と診断された.小型肝細胞癌が早期より広範に血行性肺転移していた症例と考えられた.

著者関連情報
© 2008 (一財) 日本消化器病学会
前の記事 次の記事
feedback
Top