近年の消化器癌に対する化学療法の進歩はめざましい.周術期補助化学療法については,大腸癌だけでなく食道癌,胃癌,膵癌においても有効性が示され,集学的治療により外科的切除術の治療成績が向上した.一方,切除不能·再発消化器癌については,胃癌においては本邦から比較試験の結果が報告されたことにより標準治療が確立され,大腸癌においては欧米からのに対するエビデンスにより分子標的薬が導入された.膵癌,胆道癌においては,第II相試験の良好な成績が報告されたことにより新薬が承認され,現在進行中の比較試験の結果が待たれる.これらのエビデンスに基づいた日常診療の再構築が重要である.