日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
症例報告
重篤な消化管病変をともなった中毒性表皮壊死症(toxic epidermal necrolysis; TEN)の1症例
音見 愛矢野 充保青木 秀俊高橋 幸志面家 敏宏鈴木 康博中本 次郎片岡 孝一八木 淑之山本 洋介
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2008 年 105 巻 9 号 p. 1353-1361

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抄録

症例は52歳女性.NSAIDsによる中毒性表皮壊死症(TEN)と診断した.皮膚病変の治癒後も,下痢,下血,腹痛,発熱が持続した.内視鏡検査·X線検査にて全大腸にびらんと回腸末端に強度の狭窄をみとめたため,回腸回盲部切除術を施行した.病理組織像では粘膜上皮の脱落,粘膜層·粘膜下層への炎症細胞の浸潤をみとめたが粘膜筋板は保たれており,TENに特徴的な消化管病変と考えられた.術後経過は良好である.

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© 2008 (一財) 日本消化器病学会
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