日本消化器病学会雑誌
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今月のテーマ:E型肝炎
E型肝炎の臨床
矢野 公士玉田 陽子八橋 弘
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2009 年 106 巻 2 号 p. 188-194

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抄録

E型肝炎は世界中に遍在している疾患である.本邦では,遅くとも1980年ごろには散発的なE型肝炎の発生がおこっており,近年増加傾向にある.E型肝炎ウイルスには4つの遺伝子型があり,このうち本邦に土着しているのは3型および4型である.元来熱帯地方で報告されてきた1型ないし2型とは異なった疫学,臨床的特徴を示す.3型と4型との間にも相当の地理的分布,臨床的差異が存在し,4型HEVはE型急性肝炎の重症化と関連している.本稿では,近年明らかになってきた,本邦におけるE型肝炎型肝炎の現状,ならびに疫学と遺伝子型を中心としたE型肝炎の臨床的特徴について述べる.

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© 2009 (一財) 日本消化器病学会
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