症例は75歳男性,右季肋部痛を主訴に来院し,CTで肝右葉に巨大な腫瘤を認め入院した.腹部超音波で腫瘤内を貫通する脈管を認め,超音波ガイド下腫瘍生検を行い悪性リンパ腫と診断した.骨髄正常で,脾腫がなくPET-CTにて肝以外にFDGの有意な集積を認めなかったことから肝原発と診断した.Rituximabを併用したCHOP療法を8クール施行し,治療後のPET-CTでFDGの有意な集積を認めず完全寛解と判定した.節外性悪性リンパ腫の0.41%と非常にまれな疾患である肝原発悪性リンパ腫の1例を経験し,R-CHOP療法により完全寛解が得られたので報告する.