2009 年 106 巻 6 号 p. 779-786
Salvage手術は根治的(化学)放射線療法後の遺残または再発に対する外科的治療で,食道切除,リンパ節郭清,内視鏡的治療など多くの術式がある.術後合併症の発生率が高く,死亡率も高いので必要最小限の外科的切除が推奨されている.初回治療時の進行度が早く,完全寛解CR後の再発例で,salvage手術によって治癒切除が可能であった症例で長期生存が得られている.切除可能食道癌(stage I∼III)に対する根治的化学放射線療法はsalvage手術の補完によってのみ食道切除と同等の予後を得ることができると外科医は考えている.