日本消化器病学会雑誌
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Print ISSN : 0446-6586
症例報告
サラセミアが原因と考えられる肝硬変に出血性食道胃静脈瘤を合併した1例
石川 晶久大河原 敦柿木 信重岸本 洋輔鴨志田 敏郎平井 信二岡 裕爾
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2009 年 106 巻 6 号 p. 800-804

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抄録

症例は58歳男性.吐血で入院.小球性貧血を認めたが,フェリチン327.1ng/mlと上昇していた.上部消化管内視鏡検査にて食道胃静脈瘤出血と診断,脾摘,Hassab手術を施行した.病理では肝細胞に鉄が沈着し,肝硬変像を呈していた.遺伝子解析より,(1)δβサラセミアJpn-type II,(2)-31A→Gの二重へテロ接合と判明した.肝硬変,食道胃静脈瘤の成因としてサラセミアがあり,慎重な対応が望まれる.

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© 2009 (一財) 日本消化器病学会
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