日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
症例報告
保存的に治療した孤立性上腸間膜動脈解離の2例―本邦報告例の集計―
古川 大輔堂脇 昌一和泉 秀樹岡本 祐一今泉 俊秀幕内 博康
著者情報
キーワード: 上腸間膜動脈解離
ジャーナル フリー

2009 年 106 巻 7 号 p. 1031-1038

詳細
抄録

今回われわれは突然の腹痛で発症し,腹部CT検査にて孤立性上腸間膜動脈解離と診断した2例を経験した.2例とも偽腔は血栓閉鎖しており,真腔は狭窄していたものの腸管虚血の所見を認めなかったため抗凝固療法,抗血小板療法にて保存的に治療した.大動脈解離をともなわない上腸間膜動脈解離は比較的少なく,本邦では自験例を含め53例の報告があるのみであり,若干の文献的考察を加え報告する.

著者関連情報
© 2009 (一財) 日本消化器病学会
前の記事 次の記事
feedback
Top