日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
今月のテーマ:潰瘍性大腸炎治療の新展開
回腸嚢炎の臨床病理
小川 仁福島 浩平佐々木 巖
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2009 年 106 巻 7 号 p. 996-1002

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抄録

回腸嚢炎(pouchitis)は,潰瘍性大腸炎に対する大腸全摘·回腸嚢肛門(管)吻合術後に発症する回腸嚢粘膜の非特異的炎症である.発症頻度は欧米では60%に上るとされているが本邦では20%前後と考えられ,潰瘍性大腸炎術後の合併症のなかで最も頻度の高い長期合併症である.半数以上は術後2年以内に発症する.診断には問診と内視鏡検査が必須であり,可能なかぎり病理組織検査も加えるべきである.治療は抗菌剤内服が第一選択であり,大部分の症例に対して有効である.しかし一部の症例は短期間に再燃し,また抗菌剤治療に抵抗するものもある.これら難治性回腸嚢炎に対する治療法は確立しておらず,今後の研究課題である.

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© 2009 (一財) 日本消化器病学会
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