日本消化器病学会雑誌
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症例報告
肺結核を合併した若年者重症腸結核の3症例
矢ヶ部 知美隅 健次樋高 克彦
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2010 年 107 巻 1 号 p. 70-76

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抄録

症例(1),(2) 20歳代外国人女性.肺結核の治療開始後に腹膜刺激症状が出現した.腸結核に特徴的な輪状,帯状潰瘍など多彩な形態の活動性潰瘍を認め,抗結核剤により軽快した.症例(3) 20歳代男性.肺結核治療開始直後に消化管穿孔をきたし,緊急手術を施行し救命し得た.切除標本より乾酪壊死をともなった肉芽腫および結核菌が証明された.若年成人で十分な健康管理が行われていない者には,重症結核が発症し得ることに注意すべきである.

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© 2010 (一財) 日本消化器病学会
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