日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
今月のテーマ:薬剤起因性腸管障害
抗生物質起因性腸炎の診療
鈴木 康夫
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2010 年 107 巻 12 号 p. 1897-1904

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抄録

抗生物質投与後に菌交代現象によって各種腸炎が引きおこされる.抗生物質起因性腸炎として,Clostridium difficile関連性腸炎,急性出血性大腸炎,そしてMRSA腸炎がある.急性出血性大腸炎は,比較的若年の女性に生じる特徴を有し,原因となる抗生物質を中止することにより比較的速やかに症状は改善し予後は良好である.偽膜性大腸炎を典型像とするClostridium difficile関連性腸炎は,抗生物質投与後の菌交代現象によって感染した毒素産生株Clostridium difficileの増殖により発症する.MRSA腸炎は抗生物質投与後の菌交代現象により既感染MRSAが増殖し,腸管感染し発症する.ともに重篤な基礎疾患を有し長期入院中の高齢者に発生しやすい特徴を有し,発症後重篤な経過を辿る恐れがあり速やかな対応が必要である.

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© 2010 (一財) 日本消化器病学会
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