2010 年 107 巻 6 号 p. 900-908
原発性胆汁性肝硬変(PBC)と炎症性腸疾患を合併した2例を経験した.症例1は64歳男性で,PBC加療中に潰瘍性大腸炎(UC)(直腸炎型)を発症し,メサラジン内服と注腸で寛解後,再燃寛解を繰り返した.症例2は40歳女性で,PBC加療中に下痢,発熱,関節痛を生じた.全大腸に炎症所見を認めたが,右側結腸優位で直腸の炎症は軽微であり,UCとしては非典型的であったため,indeterminate colitisと診断した.メサラジン内服で症状は改善したが,その後再燃した.